世界の国からMacintosh

日本のコンピューター雑誌「マックピープル」に連載していたコラムのノーカット、 オーサーズエディションです。ニューカレドニアのコンピューター事情についてがテーマです。

  

マックとウィン両対応の動画の配信は難しい!?

2006年4号

 我が家にはビデオカメラというものがないので、コンピューターを使った動画の処理というものにはとんと縁がありませんでした。ところが最近になって親しい友人が日本からビデオカメラを買って帰ってきて、DVDの作り方だの圧縮の仕方だのと私のところに聞きにくるようになったものだから、否応無しに動画編集に手をつけてしまいました。

 手をつけてしまうと後はずるずるとはまっていき、何もビデオカメラがなくたってデジカメ動画で十分素材は作れるじゃん♪と、早速新年のカウントダウンの模様をデジカメ動画で撮影して、iMovieで編集、クイックタイムムービーに圧縮してホームページで公開してみました。

 何しろここは南半球、真夏のカウントダウンですから花火はあちこちであがるは、車はクラクションならして走り回るは、ご覧いただいた方から「まるで暴走族の集会みたい」といわれる程の迫力のあるムービーができました。

 ところが、あるお客様から「ムービーが見れない!!」とのクレーム発生!! なんだかエラーが出るから最新のQTをダウンロードしようとGet QuickTimeのリンクをたどってもウィンドウズMe用の物がないとのこと。

 調べてみると確かにQT7はMeには対応していないようなので、アップルのサイト内を探ってMeでも使えるQT5のダウンロードとQT6のアップデータをお教えして、インストール&アップデートをお願いしてみました。

 が、それでも「圧縮プログラムが見つかりません」とのエラーが出て見れないとのこと。手元にはウィンドウズマシンなど一台もないので検証しようにもどうにもなりません。それ以前に私自身が動画に対する知識を何にももっていなかったので手のつけどころも分かりません。

 そこで思いついたのがソーシャルネットワークのミクシィ。ミクシィ内のコミュニティー「MAC/WIN二刀流」に入会してMeのクイックタイムプレーヤーについて質問してみました。

 早速回答をいただいたのが「AVI形式で配信すればいいのでは?」とのこと。なんだかよく分からないけどクイックタイムムービーをAVI形式に変換できるフリーウェアを探してみたところ、すぐにそれらしき物(QTCut)が見つかりました。そこで早速AVI形式のムービーを作成して先述のお客様に見ていただいたら、確かにMeでも見ることができたそうです。

 ただしファイルサイズはQTの2倍以上あるのに画質はQT以下。その後何もフリーウェアを使わなくてもiMovie自体がAVI形式での出力をサポートしていたのでそれも試してみましたが、やはりサイズアップ、画質ダウンは変わりませんでした。

 なんだか解決したような、しないようなと中途半端な気持ちでいたところ、ミクシィでMeを使っている方が再現検証してくれました。そしてその方がおっしゃるには「高橋さんが作られたQTムービーはH.264という最新のコーデックで作られていて、これはQT7以降でしか再生できない物です。よってQT6までしか使えないウィンドウズMeでは見ることができません」とのこと。

 知らず知らずのうちとはいえ、下位互換性のないムービーを作ってしまっていたんですね。やっぱりウィンドウズは使えないなーと心の中で思っていた私はちょっと反省いたしました。ちなみにiMovieで普通にウェブ用に出力などを選択していればこのような問題は起こらなかったのですが、よく分からないのに少しでもきれいな動画をと思って「詳しい設定」を使ったのも敗因の一つです。

 アップルのサイトによると「H.264は、最も少ない量のビデオデータから信じられないほど高画質の映像を提供するために、ビデオ圧縮テクノロジーとしては最新の技術革新を使用しています」とのこと。あとで見つけたiMovieのH.263での圧縮に比べてもファイルサイズ、画質ではかなわないのは当たり前ということなのでしょうか。とりあえず動画配信はH.264とH.263の2本立てで行うことにしました。

 それにしても動画のコーデックってなんであんなにいっぱいあるんでしょうかねぇ。。。