世界の国からMacintosh

日本のコンピューター雑誌「マックピープル」に連載していたコラムのノーカット、 オーサーズエディションです。ニューカレドニアのコンピューター事情についてがテーマです。

  

マックを使ってローカルテレビを見る

2006年8号

  インターネットが普及したおかげで海外在住でも日本の新聞はもちろん、テレビニュースまで見る事が出来るようになって、昔と比べてなんと便利になった事かと感慨もひとしおの今日この頃です。ところがあまりに便利になってしまったので地元のニュースにまるっきり触れていない事に気がつきました。

 昔は新聞は買わないまでもローカルテレビのニュースはちゃんと見ていたのですが、ここの所まるっきり見ていません。なぜだろうと考えてみたら、5年前に自分の店を立ち上げて営業時間を夜8時までにしたからでした。ローカルニュースは夜7時台、仕事が終わったときにはニュースも終わっています。道理でニュースを見なくなった訳だと一度は納得したのですが、一度地元のニュースも見たいと思ってしまったらどうしても見たくなるもので、結局店でテレビが見られるようにすればいいと言う結論に達しました。

 店と言うのはTシャツとお土産の店なのですが、狭いカウンターの中にはすでに私のスタジオディスプレー(PMG4)、家内のiBOOK、プリンターや何やらと転がっていて新しくテレビを置く場所などありません。残る手だてはマックでテレビを見る方法、先ずは情報収集から始めました。

 もちろん本誌でテレビキャプチャー機器の事は何度も読んでいます。ただし、ここのテレビ放送は日本と同じNTSCと言う規格ではなくて、PALと言う規格なのでそれに対応した製品を探さなくてはならないんです。先ずは地元のコンピューターを扱っている電気店で聞いてみたのですが、存在すら知らない店がほとんど、マック対応となると論外と言った感じでした。

 それでは日本で買ったものを知り合いにこちらへ送ってもらおうと、ネットで日本のオンラインショップを漁ったのですが、あくまで国内を対象にしているので放送形式に触れてないのが当たり前、やっと見つけてもマック非対応となかなか適当なものが見つかりません。

 こうなったら最後の手段、うちの店の常連さんで秋葉原に詳しい人に秋葉の海外向け免税店で探してほしいとお願いしたところ、何度かなかなか見つからないとの連絡があったあと、アメリカのサイトで見つけたからそれを注文してはいかがかとアドバイスいただきました。

 自分自身が海外でネットショップを展開しておきながら日本以外の国のネットショップを利用すると言う事をまるっきり思いつきもしませんでした。さっそくアメリカのwelovemacs.comさんでAlchemyTVDVRというPCIカードを購入しました。アメリカで発送されてから2週間、絶対免れないだろうと覚悟していた40%の関税もなぜか免除されて無事にニューカレドニアの我が家まで到着いたしました。

 さっそくパワーマック(クイックシルバー)の横っ腹を開けてカードを差し込んで簡単な室内アンテナをつないでセット完了。付属ソフトをインストールして起動すると自動的に全チャンネルスキャンが終わりローカルテレビが見られるようになりました。この製品ではクイックタイムでの録画機能、iCalでの予約録画、外部AV機器からのキャプチャー機能なども備えていて、まだまだ色々と利用範囲が広がりそうです。

 もしかしたら日本では当たり前の事なのかもしれませんが、マックのモニターの端にテレビが映っていると言う事実、私にはかなり衝撃的でした。ただ、困った事にニュースだけじゃなくて昼間のバラエティ−が見たくなったり、久しぶりに覗いたパワーマックのおなかの中をパワーアップしたくなったり、またまた仕事の効率が下がる悩み事が増えてしまいました。