世界の国からMacintosh

日本のコンピューター雑誌「マックピープル」に連載していたコラムのノーカット、 オーサーズエディションです。ニューカレドニアのコンピューター事情についてがテーマです。

  

ハードディスクがクラッシュ!?島では大変ディスク探し

2007年3号

 ある朝、海岸沿いのヤシ並木の遊歩道での日課の10キロのランニングをすませ、自宅のG3iBookを開いてジョギングSNS(http://www.jognote.com/)にランニングデータを入力していた時のことです。なんだか動きがおかしいな?と思ったとたん、左のパームレストの下から「カン、カカ、コン!!」と乾いた音がしたとともにカーソルは虹色大車輪のまま、我がiBookはまるっきり反応しなくなってしまいました。

 いやはや80年代にハードディスクと言うものが登場して以来、常にクラッシュの危険があることを知りつつ今までつきあってきましたが、20年目にして初のディスククラッシュに直面いたしました。iBookを強制終了/再起動してディスクユーティリティーでチェックすると赤字で表示されたディスクの説明には見たこともないメッセージが。

「このドライブの一部に致命的なハードウェアエラーがあることが報告されました。このドライブがまだ動作している場合は、出来るだけ多くのデータをバックアップしてから、正常なドライブと交換してください。」

 とりあえずドライブはまだ動作しているので必要なデータのバックアップはすぐに取れたのですが、問題はどうやって正常なドライブと交換するかの方です。いや、まずどうやって正常なドライブを手に入れるかの方が先の問題でしょうか?

 私の住んでいるニューカレドニアにはアップルの正規代理店はありません。従って正規代理店で修理してもらうと言う選択肢がまず最初に消えます。では島のパソコンショップに持ち込んで修理を頼むか? はっきり言って不安です。ということで、まずは自分でディスクを取り出すところから始めました。

 以前パワーブック(ウォールストリート)のディスクを交換した時はキーボードを外すだけで簡単だったので、今回も似たようなものだろうとたかをくくっていましたが、調べてみるとあら大変!! ほとんど完全に分解しないとディスクにアクセスできない構造になってました。

 とにかくディスクを交換しないことにはこのiBookもゴミ箱行き(分別収集じゃないので生ゴミと一緒)となってしまうので、なんとか分解しハードディスクの取り外しに成功しました。

 次の問題は入れ替えるディスクが手に入るかどうか? 日本なら容量をどうしようかとか、回転数はいくつにしようかとか色々思いめぐらすだけでも楽しいのでしょうが、ここニューカレドニアではブツが手に入るかどうかが最大の問題なんです。

 とりあえず島で最大のパソコンも売っている(?)電気屋に行って聞いてみました。するとなんと一発で見つかりました、60G−2.5インチ9mmATA/IDEの使えそうなディスクが!! 静電防止袋は無惨に引きちぎられ、どう見ても一度売られて行ったけれど使えずに戻ってきたらしいサムソンのディスク。

 一応店員さんに「他にはないの?」と聞いてみたものの「ちっちゃいの(2.5’)はこれだけ」と一言。ついでに彼が言うには「規格とかうちではよくわからないから使えなかったらまた持ってきてね、返金するよ」だそうです。

 そんな動作保証なしの中古のようなディスクでもあっただけでもめっけ物、さっそく買って帰って組み込んでみました。山のように外した小さいビスを記憶を頼りに締めて行って、なんと最後には一本のビスも余らずに(!?)組み立て成功。さっそくインストールDVDを挿入してディスクユーティリティーをかけてみました。

 するとちゃんとディスクを認識しています!!(FAT32でフォーマットされていたのはご愛嬌)。その後初期化してOSXを再インストールして無事システム復旧に成功いたしました。

 今回購入したディスク、Samsung SpinPoint MP0603H 、日本では7千円ぐらいで売られているようですが私の購入価格、約2万円!!。ま、自分でやったので工賃が浮いた分良しとしますか。  ほんと島でマックが壊れると手間もお金も大変なんですよ、、。