世界の国からMacintosh

日本のコンピューター雑誌「マックピープル」に連載していたコラムのノーカット、 オーサーズエディションです。ニューカレドニアのコンピューター事情についてがテーマです。

  

「市長」さんの実演する初めてのパームに驚き

2002/11/15号

 こんにちは、ニューカレドニアAQUA HOMEの高橋です。今まで読者のページに「ニューカレドニアからこんにちは」と言うタイトルで、南太平洋のマック事情を載せてもらって来ましたが、この度、「世界の国からこんにちは」という独立したページになるとのことで、なんだか緊張してしまいます。

 そもそも、私がマックピープルに原稿を載せてもらえるようになったのは、読者の投稿が始まりでした。つまり、本当に一読者でしかないのですが、ニューカレドニアから航空便でマックピープルを定期購読しているというだけで、目をかけていただき、こうして原稿を送るようになったのです。それが独立したページに発展するなんて、なんとも不思議な感じですが、これからもよろしくお願いします。

 で、私は何をする人かと言えば、ニューカレドニアでAQUAというTシャツとお土産の店をやっています。マックを使うのは、Tシャツのデザイン、広告原稿作り、ホームページ作成から店の在庫管理、会計処理までほとんど全部、接客以外は一日中ディスプレーに向かっています。ちなみにメインマシンは日本から持ち帰ったG4、867Mz、家内用に99年POWER BOOKを使っています。

 そんな毎日の中でも、特に時間をかけているのがホームページの運営です。いまだニューカレドニアについての情報は少ないので、少しでも旅行者の役に立つようにと、掲示板だの質問箱だのと、なるべく現地のリアルタイムの情報をお伝えできるように努力しています。

 その中のお客さまに、Palmcityの市長さん、と言う方がいらっしゃいました。個人でPalmに関するホームページを作っている方で、この度ニューカレドニアへ遊びにくる事になったそうです。

 で、連絡してみるとマックだけでも4台もっていて、マックピープルの私の記事も読んでいただいている方でした。こうなるとマックな人というだけで親近感が湧いて来て、おのずと対応もいつもに増して親切になってきます。

 彼のホームページを見ると、「旅行中、ニューカレドニアのネット事情が日本とは大きく異なることから、Palmcity およびパルマガの更新は頻度が低下することが予想される」と言った記載があったので、さっそく当店のLANに接続してかまいませんよと連絡しました。

 それから数日後、店に「市長」さんが遊びにやってきました。もちろんPalmやその他いろいろ持って。

 私の第一声、「あのう、Palmって何なのですか?」。そうなんです、ニューカレドニアにはPalmってものは入って来ていないんです。もちろん誌面でその存在は知っていました。けれども見るのも触るのも初めてです。家内と二人で「市長」さんの取り出す、最新兵器?に目が爛々、もろに素人質問が続く中、一つ一つ丁寧に実演しながら教えてもらいました。

 「なるほど、こういう物だったのですか、一昔前の電子手帳が進化した物なんですねぇ」

と感心する二人に、戸惑いながらも「市長」さんは「っまあ、そんな物ですか・・・」と笑っていました。

 ひと段落した所で、お約束した店内LANへ接続をする事になりました。が、Palmを見てもイーサネットが繋げそうなコネクターは付いていません。どうするのかな?と見ていると、「市長」さんのバックから、またまた何か新兵器が出てくるではないですか!

 「そ、それは何ですか!?」。

 「えっ、VAIOのSRですけど」。

 「おおーこれがVAIOですか、小さいですねぇ。いやー始めて見ました」。

 そうなんです。マックは最新の物まで把握していますが、世間の常識ウインドウズについてはハードもソフトもまるっきり無知なんです。我ながら本当に片寄った知識だとは思うのですが、これが辺境の島国生活の現実なんです。

 その後、LANケーブルをつないでVAIOの起動を眺めていました。さすがにウインドウズの起動画面ぐらいは知っています。が、起動が進む内になんだか様子が変になってきました。デスクトップピクチャーがどこかで見たようなデザインになって、通常下にあるはずのコマンドラインが上に出てきて・・・

そして家内が発見しました。「左上にリンゴマークが出てる!」

 結局、時間が無くて詳しくは伺えなかったのですが、マック派の「市長」さんはVAIOのデスクトップをMacOSXもどきに改造して使っていらしたようです。

 マックな人って、どこまでいってもマックなんですね。

 

Palmcity