世界の国からMacintosh

日本のコンピューター雑誌「マックピープル」に連載していたコラムのノーカット、 オーサーズエディションです。ニューカレドニアのコンピューター事情についてがテーマです。

  

DTPの問題は万国共通か!?

2003/01/1号

 今日はニューカレドニアで1983年から「PICNIC」と言う日本語フリーペーパーを発行している会社に用があって出かけて来ました。ピクニックとは日本人観光客なら必ず手にする無料ガイドブックなのですが、出版といえばMacintosh、ついでと言っちゃあなんですがMacについても色々と聞いて来ました。

 お相手してくれたのは社長のジル デリリューさん。最初は手書きから始まったピクニックを1990年にニューカレドニア初のDTP発行物にする為にMacを導入したそうです。当時、DTPといえばMacしか考えられず、必然的にマックユーザーとなったそうで、現在はG3DT266Mhzをメインに、フランス語版OS9.1+ジャパニーズランゲージキットを使っているとの事でした。

 利用するソフトは所変われどDTPの3種の神器、イラストレーター(v8)、フォトショップ(v4)、クォークエキスプレス(v3.3)。バージョンアップはしたいけれど、印刷所のイメージセッターが古いため、自分だけ新しい物を取り入れても使えないのが悩みの種だそうです。なんだかどこかの編集部でも同じような話があったような?

 ここで、どうしても聞いておきたかった現地でのサポートについても聞いてみました。やはりMac本体が壊れたときはフランス本国送りで、半年から1年は帰ってこないそうです。しかし、特に業務用だと言う事で、修理中は代理店から代替機の貸し出しをしてもらえるそうです。また、購入時にも業務用として免税が適用されて30%程店頭価格よりも安く購入できるのだそうです。そうはいっても最後に新規マシンを購入したのは98年だそうですが。また、CRTに関してはもう諦めていて2〜3年ごとに買い替えているそうです。確かに倉庫には壊れたCRTが山積みになっていました。

 今、最大の悩みの種はやはりOSXへの移行についてだそうです。フランス語と日本語の両方の環境を使うジルさんにとってOSXはとっても魅力的なんですが、周りがついて来てくれない事には身動きができないそうです。そろそろマシンも新しくしたいし、そうこう言ううちにOS9では起動できなくなるし、本当に困っているようでした。

 最後に日本のマックユーザーがうらやましい点を聞いてみた所、やはり出版に関するご意見でした。ずばり「クォークの日本語版が使える事」。こっちの印刷所は当然日本語を扱う事は出来ません。出来上がった原稿は全てアウトライン化して出力するため、大変時間と手間がかかるそうです。

P.S.最近よく行くパソコンショップは「秋葉原」だそうです。一度行ったら2日はうろうろしているそうで、主にフォントや素材集がお目当てだそうです。