世界の国からMacintosh

日本のコンピューター雑誌「マックピープル」に連載していたコラムのノーカット、 オーサーズエディションです。ニューカレドニアのコンピューター事情についてがテーマです。

  

クラッシック環境が意外な落とし穴に!?

2003/03/15号

 私の店はTシャツとお土産の店なんですが、店名がAQUA(OSXのインターフェース名もAQUA)だからと言う訳ではないのでしょうが、日本語版Macの私設サポートと化しています。特にニューカレドニアでOSXを常用している日本人は私だけなので、最近はOSXに関する質問が多いです。

 以前からMacを使っているフランス人のご主人を持つ日本人の奥様からは、フランス語システムと日本語システムの切り分けについて良く聞かれていました。結局パーティションを切って二つのOSをインストールしたのですが、デスクトップが共有されるため、フランス語システムで立ち上げると、日本語のファイル名を持つ物が文字化けして表示されるため、ご主人が御機嫌斜めでした。

 そこで先日、OSXにすると簡単に切り替えられるようになりますよと教えてあげました。実は最近OSXが搭載されているiBOOKを購入されたのですが、ご主人がOSXにするとアプリケーションを全て買い替えないと行けないと勘違いされていたのです。そこでクラッシック環境について教えてあげた所、それでは移行してみますとおっしゃってました。

 そして、移行したあとで、またまたご来店頂きまして、「コマンド類はちゃんと日本語に切り替えられるんですけど、日本語入力ができないんです。」との問題を抱えてこられました。

 OSXですから、地域情報のトップを日本語に設定するだけでことえりが組み込まれるはずなのですが、どうやってもことえりが使えない状態のようでした。キーボードメニューの切り替えとか色々と思い当たる所を、店のマシンで実演しながら確認していったのですが、古くからのマックユーザーの方ですので基本的な操作は習得されています。これはマシンを見てみない事には見当が付かないですねとお答えした所で、別件のご質問もいただきました。

 別件とは日本語が表示できない環境の方へ日本語でメールを送りたいのですがと言う内容でした。手持ちのアプリケーションを聞くとイラストレータもフォトショップもお持ちだと言うので、とりあえず、どちらかで日本語の文章を作成して、GIF画像にして添付する方法がありますよと言って、まずはイラストレーターで実演。続いてフォトショップで実演・・・!?

 最初のトラブルの原因がこの時点で解明しました。うちのイラストレーターはOSX対応ですが、フォトショップはクラッシック環境なんです。クラッシック起動のアイコンパレードを見ていて気付きました。彼女の家のアプリケーションは全てOS9のもので、OSXに切り替えたとは言えフランス版のOSXなんです。つまり、クラッシック環境のOS9はフランス語システムがインストールされている訳です。

 まさか、こんな所に落とし穴があるとは思いもしませんでした。結局、今まで通り日本語とフランス語のOS9をパーティションを切ってインストールした上に、さらにOSXをインストールするか、アプリケーションをOSX対応に買い替えるしかないと言う結末となって、ご夫婦の悩みをどれも解決できない結果となってしまいました。

 Macが完全に世界言語対応になるには、もうしばらく時間が必要なようですね。