世界の国からMacintosh

日本のコンピューター雑誌「マックピープル」に連載していたコラムのノーカット、 オーサーズエディションです。ニューカレドニアのコンピューター事情についてがテーマです。

  

最新機種は日本で買おう

2003/08/01号

 先日、家内が使っているG3パワーブックが致命的な故障を抱えるようになってしまいました。メッセージには「コンピューターをお求めの販売店にご相談下さい」と書いてあるのですが、購入したのは日本、ここはニューカレドニア、ご相談のしようもありません。また、ニューカレドニアのアップル代理店で修理を依頼しても、えっちらおっちら船便でフランス本国に送られて、帰ってくるのは1年後?。おまけに高額の修理代金が請求されるのは目に見えています。ではどうするか?。以前からの家内の要望に応えて新しいマシンを買う事になりました。

 さて、OSXが世界言語対応になったので現地で買っても使えない事はなさそうなものですが、実は色々と問題があるんです。

 まず、第一の問題はキーボード配列がフランス語版になってしまう事。USキーボードと同様にかな/英数キーがないのは当たり前として、使用頻度の高い”A”、”M”等のキー位置がまるっきり違うのです。

 入力メニューでUSを選択すれば、使い慣れた配列で使えるのですが、やはりキートップの文字が違うのはなんとも使いにくいものです。特に記号入力ではいちいちキー配列を起動して位置を確認しなくてはなりません。

 次に困るのがクラッシク用のOS9がフランス語版になってしまう事。以前のようにOS9で起動できるのならば、あとから日本語版に入れ替える事は簡単ですが、OSXでしか起動できないマシンで、クラッシック環境の入れ直しができるのかどうかも分かりません。

 最後に最大の問題がお値段です。実はあまりに馬鹿げた値段なので最近ではショップをのぞく事もなくなってきているのですが、ニューカレドニアのアップル代理店のホームページの「最新情報」でこんな記事を見つけました。

『iBook G3/700 128 Mo/20 Go/CD-Rom/Modem 56k/ Eth/FW ecranTFT 12,1" 245.000 F CFP』

日本では12万4800円で売られていた既に型遅れのiBookが245、000CFP、すなわち31万円!!これでは日本往復の航空券代を足しても日本で買ってきた方が格安です。

 と言うわけで、新しいマシンは日本で買う事に決めました。機種はiBook900、14インチ、8月に日本に帰る予定があるのでその時に買うつもりだったのですが・・・ 

 「買う事にしたよ」と家内に告げたとたん、彼女はアップルストアジャパンにアクセスして、「う〜んとね、もう決めてあってね、このボタンを押せば買えるの♪ 押してい〜ぃ?」内容を見るとiBook(メモリ倍付け)+オフィスX+ATOKで26万円。送り先は彼女の実家で、そこから郵便でニューカレドニアまで送ってもらう計画でした。「うっ、うぅん、押していいよ」

 かくして新品のiBookは航空便でニューカレドニアへと向かう事になったのですが、こちらに着いてからが大変です。そのまま通関したら40%以上の関税がかかってしまいます。その日から私は噂で聞いた「業務用機器免税措置」について調べ回る事になりました。