世界の国からMacintosh

日本のコンピューター雑誌「マックピープル」に連載していたコラムのノーカット、 オーサーズエディションです。ニューカレドニアのコンピューター事情についてがテーマです。

  

業務用として申告すれば関税が30パーセント減

2003/08/15号

 前回、家内のパワーブックが壊れてしまい、新規にiBook14インチをアップルストアジャパンで購入した所まではお伝えしましたが、実はそこから先がまた大変なんです。

 まず日本からニューカレドニアへの発送ですが、安くて早くて保険がかけられるので郵便局のEMS(国際スピード郵便)を利用することにしました。送料11、800円、本体とオフィスXほか26万円分の保険料600円なり。さすがスピード郵便と言うだけあって、日曜日に日本で発送したのに、翌月曜日には到着して、郵便局から取りにくるようにとの通知を受け取りました。

 では、すぐにiBookが使えるようになったかと言えば大間違い。ニューカレドニアでは全ての輸入品は通関をすませないと手に入らず、通関すなわち関税を支払わないといけないのです。この関税、コンピューターの場合は通常43%も取られてしまうのですが、さすがに10年以上も住んでいると税金対策も身に付いてきて、今回は合法の節税を行いました。

 というのも、前回G4とスタジオディスプレーを持ち込んだときは、そのまま43%支払ったのですが、会社の経理を頼んでいる会計士の方が「コンピューターなんかは日本から買ってきても業務用として免税にできるよ。今度買うときは私に言いなさい」と言ってくれていたのです。

 それでは今度こそと会計士に連絡して免税手続きを始めました。まずはアップルストアからの注文確認書にフランス語訳をつけて会計士に渡した所、税関向けの免税措置申請書を作成してくれたので、会社の登記簿の写しを添えて税関に提出しました。

 待つこと3日、4年間転売しないとの誓約書をとられて免税申請が受理されたので、いそいで書類をたずさえて郵便局にiBookの身請けにいったのですが、ここでひと悶着。  

 郵便局内の税関員から業務用の通関手続きは個人で行うことが出来ず、通関業者に委託しなければ受け付けられないと言われました。この時点で週末を迎え、「まだこないのぉ〜」とだだをこねる家内をなだめつつ土日を過ごすことになりました。

 明けて月曜日、市内の通関業者に郵便局からの到着通知と、山ほどある免税書類をたずさえてiBookの身請けを依頼。気軽に「OK、届け先はあなたの店でいいのね」と請け負ってくれましたが、これがまたなかなか届かない。

 電話をしても「うん、ちゃんとやっているからもう少し待ってね」とつれない返事。家内は日に日にイライラをつのらせ、私に当たる始末です。「先週の月曜には届いていたのにぃ。もぉ〜iBookが届くまで仕事しないプンプン!!」結局、家内におどされた私が通関業者をおどして、なんとか金曜日の夕方には手に入れることができました。

 通関にかかった費用は、地方税など免税にならない税金が13%で33、800円、通関業者の手数料11、000円などなどで、5万円程でした。それでも30%の税金を節約できたので大成功です。

 今回おまけが付いて、通関業者いわく「オフィスXとATOKについては購入価格で処理しているけれど、ニューカレドニアではソフトウエアには課税されないので、パッケージとCD−ROMの値段を申請し直すと払った税金がいくらか返ってくるよ」

 なるほど、かといってアップルストアでそんな領収書は作ってくれそうもないので、ここだけはちょっとインチキして、自前で書類を作って出してみました。さていくらか返ってくるのでしょうか?