女将の体験記(5)上級者乗馬【チオの牛追い&滝壺1泊2日ツアー】

フィロ・ツアーズで主催している乗馬ツアーです。今回ツアーの日程と私の休みが重なったので、 泊まりがけで乗ってきました。
このツアーの滝壺コースは長時間ツアーになります。途中走りながら歩を進めていかないと、 時間通りにたどり着けないほどです。ある程度の乗馬経験と最低限一人で駆け足の合図が出せて、 止まれることが必要です。

  

【午前】牛追い体験

朝早くにヌーメアを出発して、2時間程でレイモンドドドさんが経営するラ・クロス牧場へ。 到着後、泊まりで乗馬をする場合はバンガローに荷物を入れて、 その後ドリンク休憩してから、いざ牛追いに向かいます。

牧場はレイモンドドドさんの家から道路を渡って目の前ですが、 馬で行くときは裏山を越えて牧場の柵まで行きます。 とりあえず此処で身体慣らしという感じでしょうか。
牛追いの目的である薬浴槽のある牧場内に入ってからは、まず薬浴槽のある柵の門を開け、 その後牛さん達を探しに行きます。ラ・クロス牧場では此処にいる牛たちの他に、 何百頭もの牛を裏山の敷地内で放牧していますが、牛特有のダニが付くため、 毎回何十頭かを薬浴牧場に連れてきて、薬浴をさせます。
奥に潜んでいた牛を見つけていよいよ薬浴場まで追い込みます。牛の後ろ側に回り込み、 薬浴場まで追い込んでいきます。実際は牛の方が方向を知っていますので、 結構勝手に動いてくれるのですが、たまに群れから飛び出そうとする牛がいるので、 そんな時はすかさず追いかけていき群れに戻します。初めは何となくおっかなびっくりでしたが、 だんだん慣れてきてかけ声と共に牛を追います。 馬本来のお仕事をさせている気分で結構楽しいです。

中にはこんな怖そうな雄牛も混ざっていますが、かまわずに追い込みます。 薬浴場のゲートから牛を中へ押し込みますが、ゲート内も大きいので、 特定の場所まで気を抜かずに牛を追っていきます。 ゲートの中の更に奧の薬浴ゲートまで連れて行き、牛を閉じこめます。 この時、小さな仔牛は薬浴出来ないので、仔牛と親牛を巧みに放します。 でも、この技は初めての私には無理。レイモンドドさんの馬さばきと鞭で、見事仔牛は残しました。
下の写真が薬浴槽です。周りの壁は薬剤の飛び散りで、白くなっています。 牛たちは薬浴槽に飛び込むしか逃げ口がないのですが、この薬欲は牛たちには人気がないようで、 尻込みをしてなかなか飛び込みません。レイモンドドさんが鞭で脅して薬浴槽まで向かわせます。
薬浴槽の底は意外に深いようで、牛たちはみんなジャンプしながら薬浴槽を通過していきます。 牛が薬浴槽に入ると、クレゾールの匂いがしてきます。
薬浴見学をした後は、レイモンドドさんが持っていたなが〜い鞭を鳴らす体験。 なめし革で作った長い鞭は普通にはらったのでは音が出ませんが、 コツをつかむと周りの空気との摩擦でとってもいい音が出ます。
鞭鳴らし体験の後は、牛をまたもといた場所まで戻してレイモンドドさんの家で昼食をとります。 午後は裏山へトレッキング外乗に行きます。

  

【午後】山へトレッキング乗馬

昼食後一休みしてから、午後の外乗に向かいます。途中まで車道をずっと山に向かって上った後、 途中から河原に入ってゴロタ石のワジをずんずん進みます。 こんなゴロタ石のところをずっと歩いてお馬さんは大丈夫かしらと思いますが、 レイモンドさんに聞いた所馬たちは此処を歩く事になれているから大丈夫との事でした。

ある程度河原を歩いた後に、途中から山道を登っていきます。 レイモンドさんの家からは遠くに見えていたニッケル鉱山の積み出し場がとっても近くに見え、 ベルトコンベアーで運ばれてきた土砂が下に落ちるのがハッキリと分かりました。
尾根付近をずっと歩いたり駆け足しながら散策します。 何処まで行ってもレイモンドさん所有の土地で、本当にビックリ。 自分の足で歩いたらきっと半日あっても歩ききれない山道を、景色を見ながら外乗しました。 途中で野生のグアバの果実をとってくれたので、味見しました。渋みと甘みが混ざったような味。 この実はお馬さんも大好きなので、お馬さんと半分こしました。 日本では行けないような急坂を登ったり降りたりするので、結構面白い外乗です。 また、この日はとてもラッキーで、途中で野生の鹿、野豚、野豚の子供、 半野良の山羊など沢山の動物を見る事が出来ました。

外乗から帰ってきた後は、シャワーをあびて夕飯までのんびりとします。 夕飯にはレイモンドさん自慢の鹿のステーキが出てきますが、 その前におつまみとアペリティフをいただきます。 おつまみは、タピオカの原料となる「マニョック」と呼ばれるイモのフライ。 少し甘みがあるか見応えのある味で、これが結構後を引きます。 食事の用意は、レイモンドさんの息子さんのアランさんが全て準備しますが、 毎回このアランさんの食事がとっても美味しいのです。
今夜は鹿肉のステーキの他にシュシュットと呼ばれる野菜のグラタンと野菜ピラフでした。 食後のデザートも勿論付いてきます。
夕食後にレイモンドさんが懐中電灯を持ってきて、家の周りの藪を照らしました。 すると藪の中にきらりと光る目が!!夜になると野生の鹿がこんな近くまでやってくるそうです。 レイモンドさんの家のバンガローにお泊まりする方は このままテラスやバンガローで寝る時間まで過ごします。

  

【2日目】滝壺乗馬

今日は滝がある場所までピクニック外乗です。滝の場所までは結構時間がかかるので、 朝比較的早い時間に出発します。このため、滝壺までのコースはティオに泊まらないと行けません。

川沿いの道路を歩いていき、川に降りられる場所まで来たら川を渡ったり 川縁を歩いていきながら滝壺を目指します。途中には少し足場が悪く細い道があったり、 大きなアロエの林や大きなマンゴーの木があったりと、 ハラハラドキドキしながらの楽しい道のりです。 途中の河原では、水を飲んだり写真を撮ったり休憩もします。

もう少しで滝壺に到着する場所(写真左)では、道がしっかりとしているので、 少し馬を走らせる事も出来ます。緩い下り坂と上り坂なので、 ちょっとしたジェットコースター気分を味わえます。
この後はまず高台に登って、上から滝を眺めます。思っていたよりも大きな滝に少しビックリ。 特にお馬さんの上から眺めると、下に見える滝壺はちょっと怖いくらい。
この後は滝壺へ向かいます。滝壺近くの木陰に馬を置いて、滝壺見学へ・・・
滝壺までは歩いて2〜3分程で到着。細い獣道を抜けていくと、 いきなり目の前に雄大な滝と滝壺が洗われます。 この日は雨が降ったすぐ後だったので水が濁っていますが、いつもは透き通った綺麗な水だそうです。 中に水着を着てタオルなど拭く物を持っていれば、お昼ご飯までの間滝壺で泳ぐ事が出来ます。 私も乗馬で疲れた足を冷やしたかったのですが、タオルを持ってこなかったので、断念。 この次は絶対持っていく事にしようと思いました。
昼頃にはアランさんが車でピクニックセットと一緒にランチを持ってきてくれます。 この日のランチは、ルンピア(インドネシア風野菜春巻き)、鹿肉のマリネ、ライスサラダ、 胡瓜のサラダ。デザートはフレッシュフルーツポンチ。
昼食後はお昼寝タイム。2時過ぎまでゆっくり休んで、帰途につきます。 途中大きな野生のパパイヤを見つけて、すかさずレイモンさんはゲットしていました。
注意:滝壺コースの場合お手洗いは自然のトイレです。ティッシュを忘れずに携帯しましょう。
この上級乗馬ツアーへのお申し込みは、 「フィロ・ツアーズ」のホームページから、もしくはこちらのメールアドレス からお申し込み下さい。