ニューカレドニア 水中ウエディングの旅

 今回世界で初めての水中ウエディングをしたということで、せっかくの想い出を覚えているうちに記しておこうと思い、PCに向かいました。記憶が定かでない部分や勘違い、記述の誤りなどもあると思いますがご了承くださいませ。

少しでも楽しく読んでいただければ幸いです。ばぶきち

 

8/12(月)3日目

 今日も朝から風が強い。そんな状態でクト&カヌメラビーチへ到着した我々は送迎の車を降りた途端、吹き飛ばされそうになった。こんな中で海に入れるのだろうか。。。いや、意地でも入るぞと1人鼻息を荒くする私。とはいえお迎えの車は4時間後じゃないと来ない。ヘタに海に入って凍えちゃったら逃げ場がないぞ・・・ということでしばらくは海岸や周辺を散歩することにした。

白砂の続くクトビーチから沖を見ると、無数のカモメがヨットで羽を休めている。ビーチにも波と遊ぶカモメの姿があり、どこから現れたのかひとなつこい犬が少ない観光客とじゃれていた。奥の桟橋までぶらぶらしたあと、ガイドブックに載っているプティ・カフェとショップを探してみたがそれらしきものがどうも見当たらない。ううむ、今は冬だからお休みなのかしらん、、、と思いながらガイドブックとは別の位置にあるお店らしきものの看板を発見し、恐る恐ると足を踏み入れてみた。洗濯物を干している民家、そしてなにか公共のものかな、と思われる人気の感じられない建物を見ながら砂利道を奥へ進んで行くと、わかりにくい位置に小さなおみやげ物屋さんを発見した。

 ニューカレドニアの風景を映し出したかのような美しい手描きのパレオをはじめとして水着やハンカチ、絵や本などが置いてあり、女主人がにこやかに話し掛けてきてくれた。これらのものは全てご主人が手がけたものらしく、女主人は誇らしげにそのことを伝えてくれる。そのなかでも白地で、ピッシンヌナチュレルをはじめとするニューカレドニアの青が伝わってくるような色使いのものがあり、ノーチラス(生きた化石、オーム貝の一種)を描いたパレオが私の目を惹き付けた。そして薄いグリーン生地に私の好きなカメをあしらった小さなハンカチーフを手にとり、そのふたつを購入。帰り間際、女主人は私に「おみやげにどうぞ」と言って、キレイに洗って乾かしてあったエスカルゴの殻をひとつくれた。つやつやしたその手触りはなんともいい感じで、今は家の玄関口にカメと一緒に飾ってある。

 お腹がすいてきたのでホテルクブニーに向かった。サンドイッチとフレンチフライを注文し、小さなプールサイドにあるテーブルに腰をおろす。先に運ばれてきた冷たい生ビールをぎゅっといくと、少しずつ照ってきた陽の光と一緒に身体に染み込んできて、かなりいい気分。向かいにはオーストラリアから来たらしい親子とそのグループがビュッフェランチ中。水に入るのを怖がっているのか、冷たいから思い切れないのか、妹がお父さんと一緒にプールに挑んでおり、その横では兄が果敢に走り回っていた。我々は山盛りのフレンチフライにフランスパン一本丸ごとのサンドイッチを頬張りながら微笑ましくその光景を見つめている。ほのぼのとしたランチタイムだ。

 午後からはいよいよ覚悟を決めてシュノーケリング。そこまでして。。。と思う方もいるだろうが魚好きの私にはここまできて潜らず帰るなんてこと考えられないのだ。お天道様は時々顔を出してくれてるし、充分じゃないか。かえって人がいない分カメラにも自然な状態のビーチを写せて、私はすっかり自己満足していた。個人的にはビーチや海の色はカヌメラの方が好き。初夏にあった哀しい事件は一生忘れることが出来ないが、そのせいでこの美しい土地へ訪れる人が減少しているんだろうなと思うと、さらに寂しさが募る。その岩場には日本人でない観光客らしき人が何人か足を踏み入れているように見えたのには驚いた。実際近寄っていないので真偽の程はわからないが、他国にはあのニュースは流れていないのだろうか。。。二度とあのような事件が起こらないことを願っている。

 クブニーを後にすると、さっきクトビーチで観光客と戯れていた犬がいつのまにかやってきて、我々の後をどこまでもついてくる。カヌメラビーチに腰をおろしてみたところ、犬も一緒に座り込んだ。まるで荷物の番をしてくれてるようだな、と思っていたら真っ黒い身体をごろんと砂に横たえて、目を閉じてしまった。単に寝たかっただけなのかな?(笑)岩の両側で潜ったが、私が少し潜った場所だけで言えば魚の量は左側の方が多かった。でも、ピッシュンヌナチュレルにはかなわないだろう。カヌメラでは白い砂を足元に見ながら太陽の光を近くに感じつつ浅瀬をゆったり流れているのが心地よかった。あまり岩に近づくのも怖かったので、少し距離をおいてのシュノーケリング。

照ってきた太陽にぱああ・・・っと浮き上がる砂浜は目を細めるほどまぶしくて、水面近くで群れるサヨリの仲間らしき魚がいるかと思えば、ちいさなエイが底を這うように優雅に波打っているのを見つける。思わず後を追ったがすぐにどこかへ見失ってしまった。たくさんの魚もいいけれど、いわゆる魚の形をした以外の生物(エイ、カメ、タコ、イカなど)に会うとなぜかよけいに嬉しい私である。