Bay Breeze船長のヌメア航海記!?

Baybreeze夫妻、3回目のニューカレドニアの旅。 今回はレンタボートを使って無人島巡りをしたり、レンタカーで温泉へ行ったり、ヌメアだけの滞在ですが盛り沢山です(旦那と女将で引きずり回したという噂も・・・?)

 

4日目

5月4日(火)

 普通、ニューカレドニアに来る旅行者に、観光以外の用事はない。しかし、今日の私には用事がある。といっても観光の延長みたいな用事だが、ともかく用事は用事である。だから、あまりゆっくり寝ているわけにはいかない。

 今日の天気はあまり良くない。無人島巡り、本当は今日の予定だったが、変更しておいて正解だった。簡単な朝食をテラスで済ませ、その用事というものを済ませに行く。
 さっきから用事用事とうるさいが、その用事というのは、昨日のレンタルボートのレンタル料金と燃料代を支払い、旦那さんが保証金として予め預けておいた小切手を取り返してくることである。南太平洋の島で用事があるという逆説的な状況がなぜか面白く、それで用事だと騒いでいるわけである。

 ポート・モーゼルまで車をかっ飛ばし、パシフィックチャーターの事務所へ行く。全てフランス語で会話してやろうと目論んでいた私の頭の中は、文章づくりで一杯だった。「エクスキュゼ モワ。ジュ ヴィヤン ドゥ ペイエ ル タリフ ドゥ バトー イエール(ワタシ、来ル、船ノ料金ヲ払イニ、昨日ノ)」極めて適当なフランス語であることは自分でも分かっているが、どういうわけか通じたみたいだ。ボート屋の女性はノートをめくり、「ムッシュ・タカハシ?」(旦那さんの名前で予約したため)と尋ねる。私は「ウィ、ウィ」と激しく首を縦に振って同意する。

 無事に小切手も取り返した。さて、シトロン湾に戻ろうと、ポケットをゴソゴソやって車のキーを探すが…あれれ、ないぞ。おかしいなぁ。げげ、まさかそんなことは。えー、ひょっとして…。車の中を覗くと、キーがイグニッションにぶら下がっている。ガーン! 閉じ込みをやっちゃった!

 免許を取得して約15年、こんな失態をやったことがないだけに、ショックは大きかった。いや、そんなことより、ニューカレドニアという異国で閉じ込みをやった場合、どうすればいいんだろ。JAFなんかあるわけないし…。咄嗟に思い浮かんだのは、アンスバタ通り沿いにあるはずのハーツのオフィスに行って、救援を頼むことである。いずれにしても面倒なことになりそうで、私は頭を抱え込みたくなった。妻も茫然としている。

 しばらくうろたえた後で、なにげに私はハッチバックに手をかけた。ダメ元で、開けようとしたら…おー、開いた開いた! 私は、歓喜のあまり気を失いそうになった。私のプジョーは、ドアロックしたら自動的にハッチバックもロックされるが、このトゥインゴは自分でハッチバックもロックしないとダメらしい。ということは、今まで駐車中、ハッチバックのロックは解除されたままだったということになるが、いずれにしても、このトゥインゴのローテクが私たちを救ってくれたことになる。
 AQUAで女将さんに、小切手と旦那さんが払っておいてくれた予約金を返却してからホテルへ戻り、昼食を済ませて再び街へ出たが、なんと雨が降り出してきた。結構しっかり降っている。ほんと、無人島巡りを昨日に変更して良かった。
 夕方、街から戻り、ホテルのベッドでひっくり返っていると、電話が鳴った。まさか電話が掛かってくるなんて考えてもいなかったので、私は驚愕して飛び上がった。しばらく電話を見つめてから、受話器を耳に当てる。
 「アロ〜?」「もしもし〜、AQUAの女将ですけど…」よかった、女将さんか。明日のカナラ温泉行き、同行するはずだったKさんがマレ島で事故を起こし、骨折しているようで行けなくなったとの電話だった。当初は、女将さんの車とうちの車2台で行く予定だったが、3人になったので、うちの車1台で行くことになった。Kさんの事故は既に知っていたが、まさか骨折しているとは。心配である。

 ヌメアの夜景を撮影してから「サラディッシモ」で夕食をとった。ホテルに戻り、テラスでナンバーワンを飲みながら読書。風が少し強くなってきたようだ。