投稿旅行記≪かずこ編≫

個人旅行、一人旅で1ヶ月の滞在をしたかずこさんのニューカレドニアでの 生活についてのエッセイです。長期滞在型モーテルでの人間模様や、 4泊5日のリフー島での貴重な経験が綴られています。

 

page7

 親愛なるファラへ。

 こんにちは、ファラ。ファラの家とセデラが通っている学校、ロンガニビーチで一緒に遊んだ子供達の家に写真を送りました。ちゃんと届いているかな。

 ファラがご馳走してくれたサンドイッチ、美味しかったから今朝も真似て作ってみたよ。目玉焼きとたっぷりのケチャップを挟んでね。

 ヌメアでお世話になったモーテルにも写真を送りました。すぐにスタッフのパトリスからメールで返事が届いて嬉しかったな。

『小さなモーテルは今、とても静かだよ。マリアもクロディーもクリスチャンもみんな元気。今朝、クロディーがカズコから便りはあった?って聞いてきたよ。もちろん僕は言ったよ「イエス!」って。』

 日本に着いてトランクを開けたらニューカレドニアの匂いがふんわりとしてみんなの声や顔が頭に浮かびました。

 荷物を整理していたらファラがくれたミッションローブが出てきました。それを手にしただけで私が貰ったみんなの優しさが溢れてくるみたい。なんだか胸が温かくなって涙が出てきそうだったよ。

(これは哀しい涙じゃないからね!)

 そんなに遠くない近い日、私はまたニューカレドニアに行くことにしました。ニューカレドニアの学校に通うんだよ!この前の旅行よりももっともっと長い滞在になりそう。経済的にはシビアだけど、、、、

それ以上に得るものが大きいって分かってるから。

だから今度ファラに逢うときにはファラと同じ言葉で会話ができるはずだよ。でもなによりもファラやみんなの笑顔を見たいな。

どこにいてもみんなの幸せを願っているからね。

今、日本からその気持ちを贈ります。

私の気持ちが届いているといいな。

Je t'embrasse カズコ


リフーの学校で 1

私はサンドラに聞いた。「近くに学校はある?」「歩いて15分くらいよ。どうして?」「子供の写真を撮りたい。必ず日本からその写真を送るから。」「ナイス!グッド!!」

リフーの学校で 2

学校に着くと子供達が校庭の砂場で遊んでいた。私を見るなりみんなで手招きをする。それに気付いた先生も一緒になって大きく手招きをしている。バッグからカメラを出すと一斉に子供達が騒ぎ出した。

リフーの学校で 3

一番騒いでいた男の子にカメラを向けると一瞬ですました顔にかわってボクシングのファイティングポーズ。おとなしく隅で見ていたひとりの女の子にカメラを移すと、そばにいた女の子達がその子の髪やスカートの裾を整える。

リフー、ジョジップの彫刻家と家族。

すっかり気分がよくなった私は道路沿いに木の杭を打っていた男の人達に自分から「ボンジュール!」と声をかけた。すると一斉に「コンニチハ!アリガト!」あんまりにも笑顔が素敵な人達だったので「フォト、OK?」とカメラを向けるとまたも一斉に「アリガト!!」と横一列にならんで肩を組みポーズをとってくれた。。

キアムのドライバー、クロードとシェフのフェビアン。

小さな家の前で車を降りた。そこはフェビアンの家。中から赤ちゃんを抱いた若い女の子が出てくる。フェビアンは彼女から赤ちゃんを受け取り愛おしそうに抱きしめた。
「僕の赤ちゃん!」そう言って何度も赤ちゃんにキスをする。メラネシアの若い彼女とフランス人のフェビアン。赤ちゃんはママ譲りの大きな瞳で不思議そうに私を見ていた。クロードがまるで自分の孫のように赤ちゃんをあやす。

ロンガニビーチで。

ビーチは眩しかった。足跡も無い真っ白な砂浜。熱帯魚とブルーの海。地元の子供達がやってきて一緒に泳いだりサッカーをした。その中の一番小さな女の子が自分の持っていた果物を分けてくれた。「メルシィ!」と言って私が笑うと嬉しそうに持っていたフルーツ全部を私のバッグに入れた。

彼女の名前はメリンダ。

私が驚いて「全部くれるの?一緒に食べよう。」とバッグからフルーツを出すと頷いてひとくち食べた。私も並んで座ってひとくち食べる。それはちいさな蜜柑みたいだった。実が固くて種が大きいけれど、とてもおいしい。私が「セボン!」と言うとまた全部のフルーツを私のバッグに戻して「おいしいなら全部あげる!」屈託なく笑う彼女の気持ちを私は丁寧にお礼を言って受け取った。

ファラの家で昼食。射す光も柔らかい。

ファラの家に着くとファラの娘、カゴールがレタスサラダを作っていた。キッチンからはチキンを焼く香ばしい匂い。ジョロワンはテーブルにお皿を並べている。ファラとファラの家族が温かく迎えてくれる。私はみんなとビズをして席に着いた。テーブルにはレタスサラダ、ミートスパゲティ、グリルしたチキン、バゲット。テーブルは料理と優しさでいっぱいだった。

お手玉で遊ぶセデラ。

「昨日、この人、学校に来て写真を撮ってた。私にお手玉をくれたよ。」とセデラがファラに言っている。ファラとカゴールは別に驚くこともなく「良かったね。」と笑っている。私はこんなに可愛いセデラにまた会えたことが本当に嬉しかった。

ジョロワンとセデラ。

ファラは家族の写真でいっぱいのアルバムを何冊も見せてくれた。この人が今は天国にいる私の夫。これはジョロワンのパパとママの結婚式、ジャクリーヌのウェディングドレスが綺麗でしょう?こっちはヌメアにいる私の息子。これは小さいときのカゴール。見て!産まれたばかりのセデラ!ジョロワンが抱いてるわね。セザの写真もあるわよ、一緒に写ってるのは従兄弟のヤニス。

ありがとう、ファラ。

ファラに出会えたこと、ファラの家族みんなに優しくしてもらったこと、何度もご馳走になったこと、すてきな写真をたくさん見せてもらったこと、本当に美しい時間をたくさん貰った。私はゆっくりと丁寧にお礼を言った。難しい言葉は解らないけれどきっと私の気持ちは伝わっている。

・・・FIN・・・