世界の国からMacintosh

日本のコンピューター雑誌「マックピープル」に連載していたコラムのノーカット、 オーサーズエディションです。ニューカレドニアのコンピューター事情についてがテーマです。

  

高額で低速なこの島の通信事情

2003/06/1号

 今回はニューカレドニアのネット接続の料金設定などをご紹介します。日本の常識を捨てて読んで下さいね,そうでないと桁を読み違えますよ。

 なお現在ニューカレドニアにはプロバイダーが2社ありますが、明らかに値段差があるので安い方のプロバイダーの値段を紹介します。

 また回線はOPTという国営回線しかない事、これから表記する料金は日本円換算という事を最初にお伝えしておきます。

 まずはアナログ接続ですが、入会金5,700円で完全従量5円/分(メールアカウント無し)から、無制限4,500円/月、Q2接続80円/分(入会金なし)まで色々と設定があります。

 通話料金は数年前までは14円/分だったのですが、最近インターネット専用料金が出来て5円/分まで安くなりました。ただし、Q2接続は14円/分が適用されます。また17時から7時までの夜間は全て半額です。

 ニューカレドニアの一般の人はほとんど家庭でインターネットを使わないので、加入しているとしても接続時間5時間/月+1メールアカウントで2,300円のコースを選んでいるようです。5時間フルに使ったとして通話料込み2,800〜3,700円と言った所でしょうか。

 次にADSLの料金を紹介します。一応ISDNもあるのですが、この島でISDNを使っていたような人は、ほとんどADSLに切り替えていると思われるのでISDNは省略します。

 OPTのADSL回線には250、500、1000の3種類があって、それぞれ接続速度が下り256キロ、512キロ、1メガとなっています。つまりADSLとはいえ1メガが最速なんです。

 回線工事費用が250と500が17,00円、1000が28,400円です。日本と違って申し込みが極端に少ないためか2〜3日で工事は終わります。

 月々の回線使用料が順に8,500円、9,700円、21,000円となっていて、モデムはレンタルのみ1,150円/月です。そろそろ桁がおかしくなってきましたね。

 つづいてプロバイダー料金ですが、通信量従量制の場合、基本2,300円+通信1メガあたり34円です。もっともこの契約をしている人はほとんどいないと思います。

 一般的な無制限、常時接続の場合、入会金1万円、回線の種類が250で8,800円/月、500で43,200円/月、1000の設定はこのプロバイダーにはありませんでした。あったとしてもいったいいくらになるのやら、想像するだけでも恐ろしいですね。

 つまり、このプロバイダーで最速を求めた場合、500の回線を使用して9,700円+1,150円+43,200円=54,050円/月となります。いいですか、速度512キロのADSLに月々5万円以上ですよ!

 と言う訳で、この島でADSLを使用している数少ないユーザは、全て250の常時接続で月々18,450円を支払っていると言い切ってもいいぐらいです。私が知っている限りではネットカフェなども全て250を使用しています。

 それでも一か所だけ500の回線を使用している所を知っています。実は私の所は500の回線なんです。かといって月々5万も払っている訳ではありません。

 うちの場合、料金体系が確立していないADSLの初期の段階で契約した為、通信量従量で月300メガまで、8,500円で暫定的にスタートしたんです。その後、料金体系が無制限に移行したとき、あまりに値段差が出てしまったので、特別に月1ギガまで10,800円と言う料金を作ってもらったのです。その時点で500の回線を使っていたのはうちだけだったようです。

 まあ、回線使用料など全部で月21,600円ほど払っていますが、通話料を計算してみるとアナログで月73時間(現地通貨で計算)使用するの同額なんです。プロバイダーのサイトで実際のデータ通信時間を見ると、毎月125時間前後通信しています。アナログでの接続時間に換算したら、2倍以上になるのではないでしょうか。

 そういう訳で、馬鹿みたいに高額に見える料金ですが、うちにとってはこれが一番快適で安い選択なんです。