ニューカレドニアからこんにちは

日本のコンピューター雑誌「マックピープル」に連載していたコラムのノーカット、 オーサーズエディションです。ニューカレドニアのコンピューター事情についてがテーマです。

  

モントリオールへなぜ飛ぶの?

2002/9/1号

 日本人なのにニューカレドニアなんて僻地に住んでいると、とってもインターネットの重要性が大きくなります。何をするにも、まずはネットで・・・という生活なので、法外な料金を払ってまでもADSL接続を維持しています。それもこれも、いかに快適に情報を得るかに全勢力を賭けているからなんですが、それでもネットのレスポンスが落ちる事がしばしば。

 うちのADSLの速度は下り512kbs で、島内ではほぼその通りの速度で通信しているのですが、日本とやり取りすると精々30Kバイト/秒。これをなんとかしてみたいと、マックピープル片手に色々と試してみました。

 まず始めに試したのがネットワーク設定を自動的に最適化してくれると言うRMACというフリーウエア。なんでもMTU値と言う物がスピードアップの鍵らしいです。早速試してみたのですが、たいした変化はありませんでした。

 実はADSLモデムにルーター(PLANEX BRL-04A)を繋いで接続しているのですが、このルーターのMSS値の上限が1452となっているのがネックのようです。ではと、ルーターを外して直接繋いでみるとMTUは1492に設定されて少しは早くなったような?。

 ではではと、ルーターのメーカーにMSS値の上限について問い合わせてみた所、「日本国内向けの仕様に調整されている為」とのお返事。またもやサポート外にされてしまいました。この件、終了。

 次に試したのは、ニフティの接続速度計測サイト。普通に試すとやはり30Kバイト/秒止まりですが、同時2接続にすると60Kバイト近くまでアップしました。どうやらマルチ接続がとても有効な環境だと言う事で、IEの「複数の接続」の接続数を8に設定。確かにウェブの表示が速くなったような気がします。

 しかし、あれやこれやと試してみても、状態が悪くなると極端に速度が落ちる(というか停まってしまう)ことが日に1度ぐらいはあります。特に日本においてあるAQUAのサーバへのアクセスができなくなると、メールもホームページのBBSへの対応もできなくなって困ってしまいます。

 そこで、最後に試したのがWhatRouteという接続経路を世界地図上で表示してくれるフリーウエア。以前にもルートトラックを試した事はあったのですが、うまくいかず諦めていました。ところが今回、ルーターを外して直接ADSLモデムに繋ぐと正しく動作する事が判って再挑戦です。

 結果。ニューカレドニアからのアクセスは、どのプロバイダーを使って接続しても、アナログだろうとADSLだろうと、お隣の国オーストラリアに接続するのも、本国フランスに接続するのも、日本だろうと、インドだろうと、全て、カナダのモントリオールを経由して接続される事が判りました。

 インターネット、奥深し!!