ニューカレドニアからこんにちは

日本のコンピューター雑誌「マックピープル」に連載していたコラムのノーカット、 オーサーズエディションです。ニューカレドニアのコンピューター事情についてがテーマです。

  

マックは世界共通語!?

2002/5/1-15号

 こんにちは、ニューカレドニアAQUA HOMEの高橋です。私はこの南太平洋の島でTシャツ屋を営んでいて、Tシャツのデザインから広告原稿、ホームページまで全てマックを使って製作しています。現在のメインマシンはG4(867)に15インチスタジオディスプレーをつけています。ディスプレーはプロスピーカーと一緒に店のカウンターに設置してあるのですが、この子達が話題を呼ぶのなんのって国籍、人種を問わず注目の的です。それも面白いもので、人によって注目する所が違うんですね。どう違うのかご説明いたしましょう。

 まずは、地元の奥様方。この人たちは「あら、素敵なコンピューターねー」と興味を持って覗き込んだとき、OSX標準のスクリーンセイバー「Beach」が動いているだけで大興奮。「あーっら綺麗な写真ねー。あっこれはイルデパン島よ」。「やだ奥様、これはリフー島よ、この間主人と行った所の写真だわ。ね、そうでしょう?」。仕方がないのでスクリーンセイバーとは何かからご説明さしあげていると、既に興味は別の所に。「その、まあるいボールみたいのはなに?」。「あーら奥さんご存じないの!。あれはカメラよ、ね、そうでしょう?」。・・・いいえ違います。それはスピーカーです。(二人揃って)「ウーララー!」。

 これが若いカップルになると大分様子が変わってきます。「クリスティーヌ!、見てごらん!平たいディスプレーだよ!!。ほら、横から見てごらん、こーんなに薄いんだよ!。これが最新のやつだよ、僕もはじめてみた。(しばし興奮)」。「でもアラン、あのマウスはなに?。ボタンが付いてないけれどどうやって使うの?」。(ここで私はプロマウスをちょこっと持ち上げて赤い怪光線を披露なんかしてみます)
「クリスティーヌ、あれは光学式マウスっていって、あの透明な部分を透して指の動きを感知するんだよ。えっへん!」。うっ、ここで私がクリックするとアラン君の面子を丸つぶれにしてしまう、それっ、クリック、クリック。

 地元民とは言え、中にはマックに詳しいお客さんもやってきます。「おおっ!最新型のマッキントッシュじゃあないか。どこで買った? え、ジャポンで! いくらだった? え、ニューカレドニアの半値じゃあないか! 税金はいくらとられた??」などなど延々と質問攻めに逢わされます。でも最後には「日本で買ってきてもシステムジャポネじゃあ使えないしー」。展開を予想していた私は、既にログインをし直して画面はフランス語システムに切り替え済み。「ムッシュー。OSXは完璧なマルチリンガルなんですよ」と教えてあげます。この後の会話はいかにしてナリタからアキハバラまで行けば良いかの道案内です。「成田エキスプレスで東京駅までいって、、、」。なにせ、航空運賃を払ってもまだ安いんです、日本で買った方が。

 地元民の反応はおしなべて「びっくり仰天」パターンなんですが、ここは世界の観光リゾート、色んな国の人もやってきます。「エー私ハ香港ノ出版社ニ勤メテイマス。クイックシルバーヲ買ッタノニ、ナゼシネマディスプレーニシナイノデスカ?」。大きなお世話じゃ!!。「私はハリウッドで映画を作っています。おや、ドックが横についていますね。あなたのOSは10.12ですねー」。ブ、ブー。10.13デース。

 とまあ色々と反応があるのですが、最後に日本人観光客の場合。「ワー、マックだ!!。やっぱかっこいいよねー。特にこういうお店で使うとオシャレだよねー」。「ほんとかっこいいよねー。これでパソコンと使い方が同じだったらいいのになー」。

そうですか、日本ではマックはパソコンとしては認められていないのですか。私はちょっと日本を長く離れ過ぎてしまったようです。それではまた。