ニューカレドニアからこんにちは

日本のコンピューター雑誌「マックピープル」に連載していたコラムのノーカット、 オーサーズエディションです。ニューカレドニアのコンピューター事情についてがテーマです。

  

日本語が世界でいちばん難しい!?

2002/9/15号

 こんにちは、ニューカレドニアの高橋です。この島はフランス領なので地元で売っているマックも全てフランス仕様です。当たり前の話なのですが、やはり自国語を頑固なまでに大事にするフランス人、完璧なまでにフランス語化しています。

 皆さんも海外のソフトをインストールして、いきなり表示が英語になった事があるのではないでしょうか。しかし、英語なら開くがOPENとか、ファイルがFILEとか表示されているので、そんなに英語力がなくてもなんとか使えたりしますよね。

しかし、フランス語では完全に別の単語が並びます。中止がAnnuler、再起動がRedemarrer。間違えてフランス語のソフトを起動した日には完全な神経衰弱ゲームです(表示場所は世界共通)。ちなみにOSXなら地域情報でFrancaisをトップに持ってきて、ログインし直せば神経衰弱ゲームが楽しめますよ。ちなみにログアウトはFermer la sessionです。

 もう一つ、厄介なのがキーボードです。フランス語にはやたらとアクセント記号がついているので、数字キーはほとんど特殊文字に割り当てられています。それ以外にもAがQ、WがZ、Mが;に割り当てられていて、タイピングになれている人ほど混乱させられます。そんなわけで、OSXのユーティリティ「Key Caps」は私の必須アイテムです。

 さて、ここまでは日本人から見たフランス語システムの話でしたが、逆もまた真なり。うちの店に来るフランス人のお客さんに取っては、日本語入力システムが最大の謎のようです。今も店のカウンターの中でこの原稿を打っていますが、アルファベットしか打てないキーボードから、多種多様の文字が魔法のようにあらわれてくるのが不思議でならないようです。

 何度か説明を試みた事もありますが、最近は笑ってごまかしています。なぜって、基本の表音文字が(50種+撥音)×2があって、さらに1万種類をこえる表意文字。これを26種のアルファベットで打ち分けているわけですが、いくら説明しても最後には、「じゃあ、お前の頭の中には1万種類以上の文字がインプットされているのか?」と言う質問になって、その先は何を言っても信じてもらえませんから・・・。日本人ってすごいんですねぇ!。